「私はロボットではありません」を押してしまったけど大丈夫?
チェックを押した後に、キーボード操作や貼り付けを指示されなかったのなら、通常の認証です。
指示が出た場合や、スマホで「通知を許可」やアプリの追加を求められた場合は、認証画面を装った手口として公的機関が注意喚起しています。従わずに画面を閉じます。
パソコンで指示が出たなら、メモ帳で適当な文字をコピーしてクリップボード(コピーした内容の一時置き場)を上書きしておくと安心です。
この画面は多くのサイトで出るため、押した後に不安になる方は少なくありません。本物の認証と、それを装った偽画面の両方に同じ見た目が使われているからです。
大事なのは、押した「後」に何を求められたかです。押しただけならケース1、パソコンでキーボード操作を指示されたならケース2、スマホで「許可」を求められたならケース3へ。
※以下の手順は2026年8月時点の公的機関の資料と各社公式ヘルプに基づきます。OSやブラウザのバージョン、機種により表記が異なる場合があります。
ケース1: チェックを押しただけだった場合
チェックを入れたら先に進めた、画像を選ぶ画面(信号機や横断歩道のあれ)に答えたら進めた——通常の認証です。reCAPTCHA(リキャプチャ)は「アクセスしているのが人間かどうか」を確かめる仕組みで、Googleのドキュメントで案内されている追加確認は、画像を選ぶもの・音声を聞き取るもの・QRコードを読み取るものです。いずれも「パソコン側でコマンドを実行させる」ものではありません(Googleのドキュメント)。
押したこと自体で何かが動き出すわけではありません。ただし偽画面だった可能性が残るなら、メモ帳(スマホならメモアプリ)で適当な文字をコピーして、クリップボードを上書きしておきます。押した時点でコピーされたかもしれない文字列を、誤って貼り付けずに済みます。
ケース2: パソコンで、チェックの後に「Windowsキー+R」などの操作を指示された場合
ここからはパソコン(Windows)の話です。スマホだけの方はケース3へ進んでください。
見分け方
チェックを押した後に、次のどれかを求める「確認ステップ」が出てきたら偽物です。
- 「1. Windowsキー(キーボード左下の⊞マーク)+ R → 2. Ctrl + V → 3. Enter」のようなキーボード操作
- コピーした内容の貼り付けと実行
- ファイルのダウンロードやアプリのインストール
この手口は ClickFix と呼ばれ、警察庁が「サイバー警察局便り」2025 Vol.7(2025年10月1日公表・「「私はロボットではありません」偽画面に注意!」)で「メールなどから偽の認証画面に誘導。指示どおりに実行するとウイルスに感染」と図示しています(PDF)。Microsoftの解析でも、この手口はWindowsの「ファイル名を指定して実行」やコマンドを打ち込む画面への貼り付けで成立するとされています(解析記事)。
指示には従わず、次の順で画面を閉じます。
- そのタブやブラウザを閉じます。閉じられない時は、ESCキーを長押しすると全画面表示が解除され、ブラウザ右上の「×」が押せるようになります。
- それでも閉じられない時は、Ctrl + Alt + Delete を押し、表示された画面で「タスク マネージャー」を選びます(警察庁)。
- 一覧から使っているブラウザ(Google Chrome など)を右クリックし、「タスクの終了」を選びます。
- メモ帳などで適当な文字をコピーして、クリップボードを上書きします。チェックを押した時点で不正なコマンドがコピーされると警察庁の図解が示しており、後で誤って貼り付ける事故を防げます。
指示どおりに操作してしまった場合
警察庁の図解では、感染が成立するのは利用者自身がWindowsキー+R→Ctrl+V→Enterを実行した後です。実行してしまったなら、公的機関の資料をもとにした次の順で対処します。
- Wi-Fiをオフにするか有線LANのケーブルを抜き、ネットワークから切り離します。
- 会社や学校のパソコンなら、自分で対処せず情報システムの担当者に連絡します。
- 個人のパソコンなら、セキュリティソフトでスキャンを実行します。
- 別の端末(スマホなど)から、ネットバンキングやカードの明細に身に覚えのない取引がないか確認します。あれば、カード会社や金融機関に連絡し、支払いの停止や利用停止を依頼します。
- 重要なサービスのパスワードも、その端末から変更します。警察庁は被害としてID・パスワードの窃取を挙げています。
- 都道府県警察のサイバー事案に関する相談窓口に相談します(下記)。
ケース3: スマホで通知許可やアプリのインストールに誘導された場合
IPA(情報処理推進機構)は、不審サイトが「CAPTCHA認証を装った画面を表示させて、『許可』ボタンを押させようと誘導します」と注意喚起しています(IPAの注意喚起・2026年3月更新)。通知の許可が登録されると、以後、偽の通知が繰り返し表示され、タップすると不審なサイトやアプリへ誘導されることがあります。
心当たりがあるなら、許可した通知を取り消します。AndroidのChromeでは、IPAの案内で次の流れです。
- 「Chrome」アプリの右上の「⋮」をタップし、「設定」を選びます。
- 「通知」をタップします。
- 「アプリ内のその他の設定」をタップします。
- 「許可されています」の下の、見覚えのないURLをタップします。
- もう一度「アプリ内のその他の設定」をタップします。
- 「データを削除して権限をリセット」をタップします。
iPhoneでは、ホーム画面と、左へスワイプした先の「Appライブラリ」に、身に覚えのないアプリやホーム画面に追加したサイトが残っていないか確認します。あれば、アイコンを長押しして「Appを削除」を選びます。
課金が残っていないかの確認は → 知らないうちにサブスクに課金されていないか確認したい
誘導された先で有料のサポート契約や定期購入を申し込んでしまった場合は、消費者ホットライン188(地域の消費生活相談窓口につながります。相談は無料ですが通話料はかかります)にも相談できます。
相談できる窓口
- IPA 情報セキュリティ安心相談窓口 — 電話 03-5978-7509(土日祝日・年末年始を除く10時〜17時、1回あたり30分以内)、メール [email protected](5営業日以内を目処に返信)(IPAの公式ページ)。
- 警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」 — 都道府県警察の連絡先が案内されています。
それでも不安が残る時のチェックリスト
最後の2つは、実際に操作した、または「許可」を押した心当たりがある場合だけ確認してください。
次に同じ画面が出たら、「チェックの後に操作を求められていないか」を見れば切り分けられます。