問い合わせメールの仕分け・一次返信が手作業で追いつかない
Gmailの「フィルタ」で問い合わせの種類ごとにラベルを自動で付け、「テンプレート」で一次返信の定型文を用意すると、手作業の量を減らせます。
プログラムは書かなくても、パソコン版Gmailの設定画面だけで組めます。
見積依頼も、請求の問い合わせも、求人への応募も、営業メールも、同じ受信トレイに一列で並ぶ。どれが急ぎかは開くまで分からない。この形の詰まりは、集めている悩みの中でたびたび見かけます。プログラムを書いて自動化しようとする人も、AIに下書きを作らせようとする人もいます。
詰まるのは「仕分け」と「一次返信(まず受け取ったことを知らせる最初の返事)の文面づくり」の2か所で、どちらもGmailの標準機能で組めます。ラベル→フィルタ→テンプレートの順に進めると迷いにくくなります。そのうえで、種類別に並べて見る画面と返信待ちの持ち方まで整えます。
※本記事の手順は2026年8月時点のGoogle公式ヘルプに基づく、パソコン版Gmailのものです。フィルタ・テンプレート・マルチ受信トレイの設定はパソコンから行いますが、仕分けの結果はスマホのGmailアプリにも反映されます。画面の表記は変更されることがあります。会社で配られたGoogleアカウント(Google Workspace)では、管理者の設定で転送やテンプレートが使えないことがあります。項目が見当たらない時は社内の管理担当に確認してください。
手順1: 仕分け先の「ラベル」を先に作る
- パソコンでGmailを開き、左側のメニューを下にスクロールします。「もっと見る」が出ていればクリックします。
- 「ラベル」の横にある「新しいラベルを作成」をクリックします。
- ラベル名に「見積」「請求」「応募」など、自分の業務での分け方をそのまま入れます。
- 階層にしたいときは「次のラベルの下位にネスト」にチェックを入れ、親ラベルを選びます。
- 「作成」をクリックします。分類したい種類の数だけ繰り返します。
手順2: フィルタで自動的にラベルを付ける
- Gmailの検索ボックスにある「検索オプションを表示」アイコンをクリックします。
- 差出人・件名・本文のキーワードなど、分けたい条件をそれぞれの欄に入れます。
- 「検索」をクリックし、意図したメールが並ぶか確かめます。ずれていればここで条件を直します。
- 確認できたら検索オプションのパネルに戻ります(閉じていたら「検索オプションを表示」アイコンをもう一度クリックします。条件は残っています)。
- パネル右下の「フィルタを作成」をクリックします。
- 動作の一覧で「ラベルを付ける」にチェックを入れ、手順1のラベルを選びます(Gmailヘルプ)。
- 過去のメールもまとめて仕分けるなら、画面下部の「◯件の一致するスレッドにもフィルタを適用する」(◯は該当件数)にもチェックを入れます。
- 「フィルタを作成」をクリックします。
条件は、検索ボックスに書ける短い書き方(検索演算子)でも指定できます。from: は差出人、subject: は件名、OR はどれかに一致(大文字で書きます)、( ) はグループ化です。見積依頼なら subject:(見積 OR 御見積 OR 概算) のような形です。
作ったフィルタは、設定アイコン →「すべての設定を表示」→「フィルタとブロック中のアドレス」から編集・削除できます。
受信トレイに残すか、スキップさせるか
フィルタの「受信トレイをスキップ(アーカイブする)」を付けると、受信トレイから消えてラベルの中だけに入るため、見落としの原因になります。落とせない問い合わせには使わず、通知メールなど目を通すだけのものにだけ使ってください。
担当者へ自動で転送する
担当者に渡すメールは、フィルタの動作にある「転送する」でも振り分けられます。どのメールを誰に渡してよいかは、社内の取り決めで先に決めてください。転送先は事前に「すべての設定を表示」→「メール転送と POP/IMAP」の「転送先アドレスを追加」で登録し、届いた確認メッセージのリンクを開いて承認します。
このとき「受信メールを次のアドレスに転送」を選ぶと、届いたメールが全部その相手に転送されます。特定の問い合わせだけを渡したいときは、この設定は「転送を無効にする」のままにして、フィルタの「転送する」で送ってください(Gmailヘルプ)。
手順3: 一次返信の「テンプレート」を用意する
- 設定アイコン →「すべての設定を表示」→ 上部の「詳細設定」をクリックします。
- 「テンプレート」の「有効にする」を選び、下部の「変更を保存」をクリックします。
- 「作成」をクリックして新規メールの画面を開き、一次返信の文面を書きます(受け取った旨、回答の目安、不足している情報など)。
- 作成画面下部の「その他」アイコン →「テンプレート」→「下書きをテンプレートとして保存」→「新しいテンプレートとして保存」で名前を付けます。
- 使うときは返信画面の「その他」アイコン →「テンプレート」→「テンプレートを挿入」で選び、相手の名前や個別の事情を書き足して送ります。
- 文面を直すときは同じメニューの「下書きをテンプレートとして保存」→「テンプレートを上書きする」で対象を選びます(Gmailヘルプ)。
手順4: 一次返信の自動送信は条件を見てから
Gmailのフィルタには「テンプレートを送信」という動作があり、条件に一致したメールへ自動で定型文を返せます。
- 手順2と同じ流れで検索条件を入れ、「フィルタを作成」をクリックします。
- 動作の一覧で「テンプレートを送信」にチェックを入れ、使うテンプレートを選びます。
- 「フィルタを作成」をクリックします。
条件がずれると意図しない相手にも返信が飛びます。送信は取り消せない操作なので、ラベルを付けるだけの運用で条件が安定してから足すのが安全です。まずは数日そのまま動かし、分類が想定どおりかを確かめてください。
Gmailの標準機能で足りなくなったときの進め方は → 仕事の繰り返し作業を自動化したいけど何から始めればいいか分からない
手順5: 受信トレイの画面を種類別に分ける
- 右上の設定アイコンをクリックします。
- 「受信トレイの種類」で「マルチ受信トレイ」を選びます。
- 「カスタマイズ」をクリックし、セクションごとに検索条件を入れます。たとえば
label:見積 is:unreadのlabel:の後ろは手順1のラベル名、is:unreadは未読の意味です。ラベル名は自分のものに置き換えます。 - うまく表示されない時は、同じ条件を検索ボックスに入れて目的のメールが並ぶか先に確かめます(階層にしたラベルは書き方が変わります)。
- 各セクションの「セクション名」と「表示件数」を入れます。
- 「マルチ受信トレイの位置」で表示場所を選び、下部の「変更を保存」をクリックします(Gmailヘルプ)。
これで「見積の未処理」「請求」といった種類ごとの列を、1画面に並べて見られます。元の画面に戻したいときは、同じ「受信トレイの種類」で「デフォルト」を選び直します。
手順6: 「返信待ち」をスターで持つ
- 一次返信を送ったメールのスターアイコンをクリックして、スターを付けます。
- 左側の「スター付き」を開くと返信待ちの一覧になり、対応が終わったらスターをクリックして外します。
うまくいかない時のチェックリスト
全部を一度に組む必要はありません。いちばん件数が多い1種類について、ラベル・フィルタ・テンプレートを1組そろえるところから始めてみてください。