仕事の繰り返し作業を自動化したいけど何から始めればいいか分からない
先に決めるのは道具ではなく、自動化する作業を1つに絞ることです。
「①毎週のように繰り返していて、そのたびに時間を取られる ②手順が毎回同じで判断が要らない ③やり直しがきく」の3つに当てはまる作業を1つだけ選びます。
道具はそのあとで、いま使っているアプリの標準機能から順に試します。
- 1週間、繰り返した作業を書き出す
- 3つの物差しで1つに絞る(頻度×時間・判断が要らない・戻せる)
- 道具は「手前」から試す(標準機能 → 通しの道具)
- コピーで小さく作り、手作業と突き合わせる
- 送信・登録など取り消せない操作は最初の1つに選ばない
- 1つ動いたら、2つ目は同じ物差しで
毎週のExcelへの転記、メール添付、フォルダの仕分け——何から手を付ければいいか分からない。道具の名前ばかりが並び、自分の作業が自動化に向いているかを測る物差しが無いからです。
※本記事の手順は2026年8月時点の各社公式ドキュメントに基づく、パソコンでの操作です。機種・バージョン・契約内容により、画面の表記が異なる場合があります。

つまずくのは道具選びではなく「対象選び」
自動化が続かないのは、難しすぎる作業から始めているからです。人が読んで判断する作業、月に一度の作業、取り返しがつかない作業は一歩目に向きません。
1自動化する作業を1つだけ選ぶ
- 1週間、繰り返した作業を書き出す。 下のメモのように名前だけで構いません。
- 3つの物差しで1つに絞る。 取り消せない操作を含む作業は、最初の1つには選びません。 メール添付なら下書きまでが範囲です(問い合わせメールの仕分け)。
- 手順を1行ずつ書き出す。 この1行が、そのまま設定やコードの下書きになります。
【自動化メモ】
作業名 : 請求書の一覧をExcelに転記
頻度 : 週1回 × 約20分
判断 : なし(毎回同じ順番)
やり直し: コピーに対して行えば戻せる
手順 : 1. 添付ファイルを保存する
2. 表をコピーする
3. 一覧の最終行に貼る
4. 日付の列の表示形式を直す
今回やる範囲 : まず 2〜3 だけ(4は手作業のまま)
日付の列でつまずくなら → 日付が45000みたいな数字になる
手順が書き出せない作業は、まだ自動化の形になっていません。
2道具は「手前」から順に試す
- フラッシュ フィル=見本1行→データタブ
- マクロの記録=操作を記録して再生
- Power Automate=部品を並べて実行
- Apps Script=スプレッドシートに書く
1つのExcelファイルで完結するなら段1、複数のアプリをまたぐなら段2で、段1で足りれば終わりです。試すのは複製したコピーの上で。
フラッシュ フィルは見本を1行入力してEnterキーを押し、すぐ下のセルでデータタブから実行します(Microsoft)。開発タブの出し方や前任者のマクロの扱いは → 前任者のExcelマクロ
Power AutomateはWindows 11に入っていることが多く(Microsoft)、Microsoftアカウントとネット接続が要ります(Microsoft Learn)。Apps Scriptはスプレッドシートの拡張機能から開きます(Google)。
会社のパソコンでは、導入してよいかを情報システムに確認します。
コードや式が要るときはAIに頼る
書き出した手順にアプリ名と列の名前を添えれば、AIアシスタントに案を作ってもらえます(頼み方のコツ)。合っているか確かめられるのは自分だけなので、コピーで試して手作業と見比べます。
3動かす前に、戻せる状態を作っておく
自動処理は一気に進むので、マクロのあとは元に戻すが効かないことがあります。OneDriveなどのクラウドに保存したExcelやスプレッドシートにはバージョン履歴があるので開き方を先に確かめ、履歴のないパソコン内のファイルはコピーで代えます(Microsoft / Google)。
4最初の1つは小さく作る
- コピーで試す。 元を複製し、名前に日付を付けます。
- 一部だけ自動にする。 「今回やる範囲」以外は手作業のままで構いません。
- 手作業と突き合わせ、1行メモに残す。 合わない行が、書き出しの漏れです。
それでも進まない時は
いちばん手こずるのは、コードではなく対象を選ぶところです。