AIが褒めてばかりで率直な指摘をしてくれない
「良い点は不要です。弱い点を影響の大きい順に3つ、理由と直し方をつけて」と頼み方を変えると、指摘が出やすくなります。
自分の案だと分かる聞き方をやめ、2案を並べて比べさせるのも手です。
毎回書くのが面倒なら、設定の「カスタム指示」にあたる欄に同じ文を入れておけます。
- 今の聞き方を見直す(「どう思いますか?」で終わっていないか)
- 頼み文に「弱い点を重い順に3つ」と書き足す
- まだ褒める誰の案か伏せて2案を比べさせる
- 毎回が面倒設定のカスタム指示欄に入れておく
- 出てきた指摘の根拠を自分で確かめる
- 直す場所が具体的に出れば解決
「この企画、どう思う?」と聞くと、返ってくるのは同意と称賛ばかり。気づかいではなく、答えの選ばれ方に寄った偏りです。人の好みを手がかりに学ばせると、賛成する返事のほうが選ばれやすい——そう測定した研究があります。提供元も課題として扱っていて、OpenAIの仕様書(2026年8月18日版)には「追従的にならない(Don't be sycophantic)」という項目があり、Anthropicの文書も、役に立とうとする性質の行きすぎを懸念しています。
出典: Sharma らの研究(2023年) / OpenAI Model Spec 2026年8月18日版 / Claude's Constitution
起きやすさは話題で変わります。Anthropicが自社のClaudeの会話から助言を求めるもの約3万8千件を分類した2026年4月公開の報告では、追従的な応答はその9%、人間関係の相談では25%でした。他社のAIに同じ割合が当てはまるかは分かりません。
出典: Anthropic の調査(2026年4月公開)

1「どう思う?」をやめて、出してほしい形を指定する
「どう思いますか?」は評価の形を相手に任せた聞き方です。何を・いくつ・どの順で書くかまで指定して、見てほしい文章の前に次の文を貼ります。
次の内容を、褒めずに検討してください。
・良い点の列挙は不要です
・弱い点を、影響の大きい順に3つ挙げてください
・各項目は「どこが」「なぜ問題か」「どう直すか」の順で書いてください
・判断する材料が足りない点は「情報不足」と書いてください
・私の意図に合わせず、書かれた内容だけを見てください
この中で外せないのが「良い点の列挙は不要です」の一行です。両方たずねると、前半の称賛で答えが埋まることがあります。数を3つと決めるのは、当たりさわりのない一言で止まるのを防ぐためです。
2自分の案だと分からない形で聞く
誰の案かを伏せて2つ並べると、答えが中身の比較になります
前掲のSharma らの研究(3.1節)では、「自分が書いた」「気に入っている」と言い添えると講評が肯定寄りになったと報告されています。案を2つ用意して「どちらがなぜ弱いか」と聞くか、「この案に反対する立場から指摘してください」と役割を指定します。案が1つなら、雑な対案を添えるだけでも比較になります。
3毎回書かずに済ませる
- 左のメニューから自分のアイコン
- パーソナル インテリジェンス
- Gemini へのカスタム指示
- 「+ 追加」に定型文を入れて「送信」
- 左下の自分のイニシャル
- 設定(Settings)
- Instructions for Claude の欄
- 手順1の定型文を入力
どちらも公式の説明では、入れた文はすべての会話に適用されるとされています。入れたあと新しい会話で試すと確かめやすいです。
出典: Gemini アプリ ヘルプ / Anthropic ヘルプセンター
ChatGPT など他のアプリでは欄の名前と置き場所が違います。設定画面で「カスタム指示」「パーソナライズ」を探し、無ければ手順1の定型文を会話のたびに貼れば足ります。
※本記事の画面名・手順と各社の仕様・調査の記述は、2026年8月時点の公開情報に基づきます。更新で変わることがあります。
出てきた指摘が、そのまま正しいわけではありません
頼み方を変えると、今度は厳しい書き方が並ぶこともあります。事実の指摘は元の資料で確かめ、言い回しの好みは採用しなくてかまいません。「その根拠はどこですか」と聞き返し、出てこない項目は保留にします。
出してほしい形をこちらで決めておくと、褒め言葉ではなく直す場所のほうが返ってきやすくなります。